2018年7月8日日曜日

OpenCVを使う(覚書)

OpenCVはインテルが開発したオープンソースライブラリで、画像処理に定評があるという。
SOURCEFORGEというサイトで入手できる。

Swiftから使う方法

C++で書かれているらしく、Swiftから直接扱えないので、Objective-C++を経由して扱う。
簡単に書くと、

  • SwiftのプロジェクトにWrapper(間を取り持ってくれるクラスだ)となるObjective-Cのクラスを作る(ex. OpenCVWrapper.hと同.m)
  • その過程でSwiftとObjective-Cのクラスを同居させるためのBridging-Header.hを作る
  • Wrapperクラスとして作ったObjective-Cのファイル「クラス名.m」の拡張子を、Objective-C++の拡張子の「クラス名.mm」に変更
  • Bridging-Header.hに #import "OpenCVWrapper.h"
  • Wrapperクラスのヘッダファイルに #import <UIKit/UIKit.h>
  • Wrapperクラスの実装ファイル(さっき.mmにしたとこ)には以下のように
    • #import <opencv2/opencv.hpp>
    • #import <opencv2/imgcodecs/ios.h>
    • #import "OpenCVWrapper.h"
  • Wrapperクラスの中にOpenCVにアクセスするObjective-C++のメソッドを書き、Swiftからそのメソッドを使うことで機能を使用する
……らしい。
まだよくわかってないけど。

いっぱい出るWarningを消す

こんなのがいっぱい出た
Xcodeでそのままコンパイルしたら、
  • Not a Doxygen trailing comment
  • Empty paragraph passed to '@note' command
などというよくわからないWarningが86個も出てしまった。

気になるならここをNoに
stackoverflowでは「無視してもいいが、Build SettingsのDocumentation CommentsをNoにすればいい」とあったんで、試したらほんとに消えた。こちらのサイトでも。
iOS、Xcodeの必要なメッセージまで消えちゃうかどうかは知らん。

IplImageに変換せねば…

OpenCVで使われてる画像管理の構造体がIplImage。
iOSの画像をこいつに変換してやらないといろいろ使えないのが面倒。
調べたところ、CGImageからIplImageへの変換方法は一筋縄でいかず、Objective-C++でIplImageの変数とポインタを共有するContextを作ってそれに描画するとか、色空間を変換するとか、やたら複雑。
他のやり方がわからないので丸コピーするみたいな感じになってしまった。

特定の色を透明にする

やりたいこと

画像の特定の色(例えばグレーの部分とか)だけを透明にしたい。
(別な画像と合成する時に使うのだ)

やり方

let maskColor:[CGFloat] = [188, 188, 188, 188, 188, 188]
let maskedImage = cgImage?.copy(maskingColorComponents: maskColor)


Core Graphicsの機能を使うので、画像をCGImageに変換しておく。(例では変数cgImageとして用意)

maskColorの配列が、透明化したい色を範囲として指定するための引数。はっきりはわかってないんだけど、要素0から順に、Rの下限、上限、Gの下限、上限、Bの下限、上限を0〜255の値で指定するようだ。
一色だけなら全部同じ値にすればいいし(CIFilterのポスタリゼーションで作った3階調のグレー色は188だった)、色の範囲で指定するならそれぞれの下限値、上限値を変えればいい。

実際に透過処理をしてるのがCGImageのcopyメソッド。処理が終わったCGImageを返す。
合成処理をするならCGImageのままかCIImageがいい。というか、macOSでNSImageに変換したら透明じゃなくなってしまった。

リファレンス見ると最後にCGImageをreleaseしろって書いてあるんで、そうした方がいいみたい。

注意

元画像にαチャンネルがあるとnilが返ってきてしまうので、あらかじめα情報を取り除く作業をしておかないといけない。そうしないと予期せぬエラーでアプリが落ちてしまう。

UIGraphicsの作り直しのOptionで第2引数のopaqueをtrueにすればOK。

UIGraphicsBeginImageContextWithOptions(srcImage.size, true, 0.0)
srcImage.draw(in: CGRect(origin: CGPoint.zero, size: srcImage.size))
let remakedImage = UIGraphicsGetImageFromCurrentImageContext()
UIGraphicsEndImageContext()

2018年7月3日火曜日

年に一度の証明書の更新手順

手順の概要

  1. アップル・デベロッパーの証明書ページで古い証明書(DeveloperとDisributionをそれぞれ)を削除
  2. 新しい証明書作成開始
  3. Macのアプリ「キーチェーンアクセス」から証明書リクエストファイルを作成
  4. アップル・デベロッパーに証明書リクエストファイルを読み込ませる
  5. 新しい証明書ファイルをダウンロード
  6. 証明書ファイルをダブルクリックしてキーチェーンに追加

アップル・デベロッパーから、以下のタイトルのメールが届く

Action Needed: iOS Distribution Certificate Expires in 30 Days
(iOS配布用証明書があと30日で切れるで)

(以下のページデザインは2019年時点で別のものになってる。だいたいわかるけど、ちょこちょこ変えるなよな、アップルさんよお)

アップル・デベロッパーサイトのCertificates, Identifiers & Profiles ページを開く


この画面は証明書の一覧。
ここで期限切れ、もしくは期限切れ間近の証明書を選んで、Revoke(廃止)ボタンを押す。(消さなくても作れる場合もあるみたいだが)

DeveloperもしくはDistributionの証明書を作る

前の画面の右上にある「+」ボタンを押すと、以下の画面が出る。
Developmentが赤字で「証明書の数がいっぱい!」って書いてあるのは作った後のスクリーンショットだから。
DevelopmentはそのままDevelopmentの証明書、ProductionはDistributionの証明書なので(ややこしいな!)、それぞれを作ることになる(一度にはできない)。

画面下のContinueボタンを押すと以下の画面になる。
「キーチェーンアクセス.app」を使って必要な作業手順が書かれてる。

キーチェーンアクセス.appで証明書リクエストファイルを作る

ウェブサイトとMacのアプリを行ったり来たりしながら作業しなきゃいけないのはめんどくさいけど、しょうがない。

Macのキーチェーンアクセス.appを開く。
(ここで検索窓にiPhoneと入力し、古い証明書を消しとくといいみたい)

メニューの、キーチェーンアクセス/証明書アシスタント/認証局に証明書を要求...
を選ぶと以下の画面に。
ここで
「ディスクに保存」を選び(「鍵ペア情報を指定」もチェックしたほうがいいらしい?)「続ける」を押すと、
「CertificateSigningRequest.certSigningRequest」という証明書リクエストファイルを保存するダイアログが出るんで、わかるところに保存する。

デベロッパーサイトに戻る

キーチェーンアクセスの作業手順が書かれた画面でContinueを押すと以下の画面になるので、Choose File...から、今作ったCertificateSigningRequest.certSigningRequestファイルを指定してContinue。
(ここでアップロードするリクエストファイルは、DevelopmentとDistributionで同じものでいいようだ)

証明書をダウンロード

そうするとDevelopmentもしくはDistributionの証明書が作られるので、Download。
この作業を、必要であれば前述のとおりDevelopmentとProduction(Distribution)の2回やる。
できた証明書ファイルがこれ。
これをそれぞれダブルクリックすると、以下のようにキーチェーンに追加するか聞いてくるので、「追加」で終了。
これで証明書の更新作業が終わり。